ページが飛んで全体が把握しづらかったので備忘。
ワンピース 巻百十(110巻)より、ベガパンクの「空白の100年」に関する通信を抜粋した。誤記などあれば指摘どぞ。
- 第1113話 ”STALEMATE”
- 第1114話 ”イカロスの翼”
- 第1115話 ”大陸の断片”
- 第1116話 ”葛藤”
- 第1117話 ”も”
- 第1119話 ”エメト”
- 第1120話 ”暴”
- 第1121話 ”時代のうねり”
第1113話 ”STALEMATE”
私は2つの罪を犯した。
ただし、これをしっかり理解して聞いて欲しい。
私を裁く者達が誰であれそれが”悪”と説きたいわけではない。私は善悪を論じない。そうできるほど”彼”についてわかっていないのだ。
これより話す事はあまりに信じ難く失笑を買うかもしれない。だが、皆には知っておく権利がある。
結論から話そうか。この世界は海に沈む。
第1114話 ”イカロスの翼”
私にとって少し未来の話になるが、この映像を撮り終えた後日、私の作った”センサー”の計算が正しければ、全世界を襲う異例の地震が起きるはず。
それに伴い各地の海面は約1m上昇し、人が住めぬようになる島も出るじゃろう。世界中の浜辺の消失も避けられぬ。もしこれが外れていたならばこの先の話は聞き捨ててかまわん。
しかし、それがもし起きたなら、私の話をよく聞いて欲しい。
その地震は「自然災害」とは言い切れぬ現象なのだ。
私はまがりなりにも平和を望んだ。しかしこれが一つ目の私の罪。永遠のエネルギーを夢見た。
この世界を大きく未来へ進めたい一心で、私は「太陽」に近づきすぎてしまった。
順を追って説明しよう。この世界に何が起きようとしているのか。
今より約900年前から800年前にかけての100年間の話じゃ。実はそこにぽっかりと白紙になった歴史がある。
これを「空白の100年」と呼びその記録は全てかき消されている。
その途切れた歴史を知る術は、世界中にひっそりと点在する「歴史の本文(ポーネグリフ)」と呼ばれる過去からの”手紙”を読み解くしかないのだ。
しかし”歴史の本文”の解読は「世界政府」により固く禁じられておるのじゃが、私は政府の人間でありながらそこへ踏み込んでしまった。これが2つ目の罪。
ある優秀な考古学者達の執念によって受け継がれた文献といくつかの”歴史の本文”を私は解読し、可能な限りの研究を進めてきた。後悔などありはしない。
歴史とは物語である。つまり私が知るのは不完全な100年間の物語。
それを私の想像で補って話すわけにはいかんが、判明した真実のみをここに言い遺す。
この物語の主人公は900年前にあるまじき高度な文明を持つ王国に生まれ、まるでエルバフに伝わる”太陽の神”ニカの様に伸縮する体で戦ったという男。
彼の名は”ジョイボーイ”
この海で初めて海賊と呼ばれた男じゃ。
第1115話 ”大陸の断片”
彼が何ゆえに「海賊」と呼ばれたのか。
私の読んだ”歴史の本文”はわずかじゃがそこに記されていたのはとてつもなく「巨大な戦い」の記録であった。ジョイボーイの敵は…現在の「世界政府」。
正確には「世界政府」樹立前の前身。20の王国の臨時共同体「連合軍」である。
そうしなければならん程”ジョイボーイ”の一団は堅固であったとも言える。
そしてその戦いの”火種”がわからぬ以上、善悪ではなく”2つの思想”がぶつかったと言っておく。
先に触れたが、ジョイボーイの生まれた王国は900年前とは思えぬほど驚異的に文明が発達した国だとわかった。
この100年の戦争中に実在した「兵器」は現代の科学力をもってしても作り得ない代物であったようだ。
無論、天才の私をもってしてもじゃ。問題はそこにある。
”空白の100年”はジョイボーイの敗北によって幕を下ろした。
その終焉は取り返しのつかぬ程の巨大な戦争の爪痕を残して。
世界とは島と島を行き来するもの。航海は困難で、自国の文化しか知らず一生を終える者も少なくない。この我々の持つ常識は千年前の歴史には当てはまらぬ。
”空白の100年”の中で起きた”天変地異”によって世界は一度海に沈んだのだ。
我々は今かつての”大陸の断片”の上に暮らしておるのじゃ。千年前の世界は今、見る影もなく海底に沈んでおる。
大昔、世界には我々の知る由もないいくつかの「大陸」があったと考えられる。
もし過去と何も変わらぬ世界なら、100年分もの歴史を世界の記憶から消すことなど不可能な事じゃが。くしくもこれなら腑に落ちる。
わずか100年間での海面上昇幅は実に200m。
なぜその100年間に”海面上昇”は起きたのか。もちろん不意の自然災害と考えるのが理所当然じゃが、私はこれを「人為的災害」と断言する。
これだけの”天変地異”を巻き起こしたのが自然ならば、その”初期災害”が数百年単位で永続的な被害を世界にもたらして然るべき。
気候学・地質学・環境科学・大気科学・全ての側面から計測してみても、たった100年で収まるような”変動”ではないのじゃ。
ならば原因は他にある。
先日の世界規模の海面上昇を感知したとき私は確信した。その”原因”と”実在”を。
800年前に世界を海に沈めた「古代兵器」は今なお現存し、それらは再び起動の時を待っておるのじゃ。
つまり”空白の100年”に起きた”巨大な戦い”は、まだ終わってはおらんのだ。
第1116話 ”葛藤”
私は深く謝罪しなければならない。だが知っておいて欲しい。
これから発展する世界の産業の礎となる動力を作りたかった。
まだ”未完成”ではあるが、私の研究の集大成「消えない炎(マザーフレイム)」はやっと実用化にまでこぎつけた所。
いつの日か必ず世界中の国々の生活を豊かにできる”動力”じゃ。
しかし、その”炎”がある日一欠片だけ盗まれた。
全て私の責任である。
炎を盗まれて約2週間後「ルルシア王国」方面の空が激しく光り王国は跡形もなく消えたという情報を得た。更にその後に世界的な地震の予兆を観測。
科学者として開発に誇りを持って言うが、そんな莫大なエネルギーは「マザーフレイム」をおいて他にない。
私の生み出した”炎”が「古代兵器」を起動させてしまったのじゃ。
どこの誰が実行したのか何もわからぬが結果は瞭然。私は多くの人命を奪う行為に加担した。重責を感じてる。申し訳ない。
かつて世界を海に沈めた”人為的災害”は実行可能と証明された。
「古代兵器」は過去に3つ存在し、ジョイボーイはそれを後世に受け継ごうとしている。
そんなものをなぜ!?まだ沈めたりぬか!?誰が「悪」で誰が「正義」じゃ!?そのすべてが開示される日は来る!!
その時こそ”世界沈没”が危惧される時と私は警告する。
”空白の100年”はまだ謎に満ちておる。
しかし、その全てを知った者たちがいる。”海賊王”の一団である。
歴史の全てを知った彼らはなぜ誰にも何も告げずに消えたのか。なぜ動かなかった。
喋りすぎだベガパンク。じじいがペラペラ。若者から奪い取るなバカモノめ。
なァロジャー。”楽しみ”をよ
- シルバーズ・レイリー
第1117話 ”も”
少々断片的ではあるが、これ以上話せば”憶測”になってしまう。
最後に一つを伝言をさせてくれ。
世界中に点在している”D”の名を持つ者たちへ。
お前さんたちの中に……も(ここで通信断)
第1119話 ”エメト”
(通信断)
……何も……などないからじゃ。
その脈々と受け継がれる意志と言える……
(通信復旧)
その理由に翻弄された者に、この声が必ずや届く事を祈っている。
第1120話 ”暴”
「過去から声が聞こえてくる」と誰かが言った。
歴史は”勝者”達が語り継ぐもの。海底に深く沈んだ敗者たちの声は極めて小さい。
だが多くの犠牲の上に見出す事ができた「真実」を今、世界に伝えた。
ここまで無事伝わっている事を祈っている。
900年も昔の争いの話を一方向から聞くのも愚かである。歴史は多角的にとらえる必要がある。もっと時間が欲しかった。
しかし、もう止める事のできない者達がいる。
25年前海賊ゴール・D・ロジャーはついに前人未到の世界一周を達成した。
そして彼らは聞いたはず。
最も純粋な過去の声を。
つまりだ。皆もう気付いているとは思うが、私は未来をこう結論づける。
第1121話 ”時代のうねり”
”空白の100年”が呼び起こされる日は必ず来る。
全世界の”大陸の沈没”という”人為的大災害”を引き起こした「兵器」が未だ意図して存在する事実。
歴史の陰画により執拗に滅亡を望まれる稀有な種族の末裔達。もしもの時は皆には己の身を守って欲しい。
何が起きても私は人の知恵を信じている。科学を信じている。
ロジャーが死んで24年。白ひげが死んで2年。伝説たちの陥落は「新時代」の幕開けにすぎない。
抑え込もうにも抑え込めぬ者達が、彼らこそがくしくもその真実に最も近づいておる。いや、ロジャーは仕掛けたのかもしれん。
「それ」をジョイボーイが望むものが手にするとは限らない。もう止めようがない。
「それ」を手に入れる者に世界の運命は委ねられるのじゃ。
”ひとつなぎの大秘宝”を手に入れた者に。