適度に筋肉を付けて、余分な体脂肪を落とす。
なかやまきんに君の受け売りだけど、あの年齢でもキレのある肉体かつ肌も綺麗とくれば、考え方のベースとしてはシンプルだけどベストに違いない。
どうして痩せる必要があるのか
あらかじめ言っておくと、痩せる必要はないし、痩せることを目標としてはいない。
理想的なダイエットはどういうダイエットを目指しているのか、まずはしっかりと定義しておきたい。
先ほどの「適度に筋肉を付けて、余分な体脂肪を落とす」ということを念頭に置きながらも、「体脂肪を落とす」ことが必ずしもイコール「痩せる」ことではない。
「健康であること」が大前提となり、体重、体脂肪率といった数値はあくまでも指標にすぎない。健康という言葉はきんに君も随所で強調している。
やはり健康でいることは何をするにも重要で、何かやりたいことがあったとしても、健康面でその機会を損失することがあってはただただ辛いだけだ。
そして何より、健康的な肉体ほど美しいものはない。
その美しさは、ボディビルダーのように筋肉を自身の理想の形にしながら体脂肪を極限までそぎ落とした状態を言っているのではない。これは極端だし、一時的に健康面を捨てているので、あるべき常態としては適切ではないだろう。
目指すべきは、アスリートのように体を動かすための肉体のほうがイメージしやすい。まさに「適度な筋肉」を備えながら、体脂肪率が高いわけでもない。
このぐらいの状態が肉体として、曲線美が映えたり、運動習慣によって細胞レベルで肌の調子が整っているはずだ。
そういう人を見かけると、なんとなくかっこいいと思ってしまったことが経験としてないだろうか。
「健康的な身体」は本能的に好印象を与えるのである。
といった具合で、痩せることよりも「健康的な身体作り」というのが「理想的なダイエット」の定義である。
第一、痩せること自体、字面で見ても部首が「やまいだれ」ということも不健康な印象もあり、健康から遠ざかる行為だと思ったほうが良い。
〖痩〗 (瘦) ソウ・やせる
病人で老人のように骨と皮ばかりになる。やせる。やせほそる。ほそい。
「痩身・痩軀(そうく)・老痩・肥痩・羸痩(るいそう)」
Oxford Languagesより
細い身体に憧れるのは個人の自由だが、盲目的、もしくは支配的に印象付けられているのであれば、価値観の再考を検討するべきだと僕は思っている。
何をすればいいのか
運動と食事、あとは睡眠。運動は習慣にするのが難しいと思うけど、ぶっちゃけこれ以外にすることがない。
当たり前のことではあるが、身体は食べたもので作られるので、口にするものは意識して選ぶ必要がある。
添加物まみれ、糖質過多には注意が必要。特に小麦はグルテンが炎症を起こしやすいため、たんぱく質にカウントはされるができるだけ避けたほうがいい。
太っているから痩せたいのであれば、食べる量を減らせばいい。減らせないから太るんだ。
食べないことは健康的ではない。理想的なダイエットにおいて食事はとても重要なのだ。
不要なものを減らしつつ、必要なものを食べていこう。
健康を強く意識するのであれば、栄養素を代謝するための酵素になるたんぱく質を重視するべきだ。
これを知らずに野菜ばっかり食べていても、ビタミンを吸収する土台ができていないから意味がない。しっかりたんぱく質を摂って、栄養を吸収できるようになりつつ、皮膚、髪も原資はたんぱく質なんだから、いくら外側を化粧品塗りたくったところで何もよくならない。まずは内側から作っていかなきゃいけないのである。
細胞の入れ替わりには時間がかかるが、ミトコンドリアを元気にしよう。
また、運動については、部屋でもできる筋トレがいいだろう。
ジムなんか行く必要はない。2~5kgぐらいのダンベルぐらいはあってもいいと思う。
運動機能を高めるために、まずは体幹から始めて、腕立て伏せ、スクワットぐらいで十分。あとは公園で懸垂とか。これが一番難しい。
ランニングといった有酸素運動もいいが、筋トレは負荷が高い分消費するエネルギーも大きいので、身体作りを考えたら筋トレしかない。
筋肉が増えると、日常生活の動作が楽になるし、ボディラインも作っていけるからね。最低でも一石二鳥だ。
筋肉が付きやすいから嫌!なんて声を聞くこともある。
たしかに、筋トレ直後は筋肉に血流が集まって筋肉が一時的に大きくなる。これがパンプアップだが、あくまでも一時的な現象で、時間が経てば元に戻る。
そもそも筋肉は必要に応じて発達するもので、栄養を適切に送り込まないとそう簡単に肥大するものでもないし、体内で燃やせるエネルギーがなくなったときに筋肉を分解してエネルギーに変換されてしまうから、食が細かったりすると筋肉量を維持することは難しい。
すぐに枯渇してしまうものでもないが、筋肉を使って、栄養を摂って、これを繰り返さないと筋肉は保てない。
マッチョっていうのは毎日とても面倒なことを続けている努力の証なのである。
というわけで、筋肉が付きやすいというのは単なる勘違い。
やせ細った直線的なボディラインよりも、筋肉によって各部位が引き締まりながらも適度な曲線を描いたボディラインのほうが本能的に感じ取れるレベルで美しい。
マッチョになる必要は無い。筋肉によって身体が変わっていく実感が持てるとメンタル面すら健康的になったと感じられるようになる。
逆に部分痩せというのも原理的にはあり得ない。
体脂肪は、基本的にはムラなく全身に蓄えられるので、部位による燃えにくさは人それぞれあると思うけど、部分痩せしたいからと一点集中で取り組むのは意味がない。
目標
体重は、ベースとなる身体の大きさで変わるので、数値目標を付けるなら体脂肪率15%前後ぐらいでいいと思う。
体調を崩したとしても、ある程度蓄えがあることでエネルギーを作れるわけで、そういう意味でも体脂肪だけでなく、筋肉量はあるに越したことはない。
体重の増減にドギマギするよりも、運動によって日々少しずつ変化していく身体を見ているだけのほうが精神衛生的にも良い。
そして、見るって意味だと、腹筋が視覚的にも感じやすいと思う。
よく言われているが、腹筋はもともと割れている。そういう構造なのだ。
腹筋が割れていないのは、腹筋の外側の脂肪が腹筋の溝を隠しているか、腹筋の内側の脂肪が筋肉を外向きの力で押して溝を隠しているかのどちらかで、脂肪が減ると割れた腹筋が見えるようになる。
いくら腹筋を鍛えても、脂肪が多けりゃ永遠に割れ目を拝めない。他の部位も似たようなもんで、力士の身体を想像すればわかりやすいだろう。
で、とにかく一番の目標は「健康でいること」。これ以外にないので、運動、食事、睡眠を意識的に変えていくことがおのずと理想的なダイエットに近づいていくのである